仕事

ゴミの収集や処分に関わる仕事ってどうなの?実際に2年ぐらい働いたので書いてみます。そして意外と奥深い。

みなさんは普段から生活をする上で特別な事をしなくてもゴミを出すと思います。

ゴミ箱に捨ててそれを集めて30リットルもしくは45リットル程度のゴミ袋に入れてゴミ捨て場に持っていくと思います。

殆どの人がそのゴミがどこに捨てられているか、どうやって処理されているかという事は知らない人も多いのではないだろうか。

僕もそのうちの1人でした。それ以上に、何となく地球環境やらリサイクル、循環社会という言葉だけ聞いた事があるだけで実際には関心を持った事はなかった事も事実だ。

環境問題やゴミの現状やこういった業界って本当のところどうなの?ってみなさん思われているところもあると思うので廃棄物の業界ってこんなんだよっていうことを是非知ってもらいたいというきっかけで、今回は、実際にゴミ収集と処分の業界で働いた僕が嘘偽りなく書いていこうと思う。

目次

廃棄物業界に携わるきっかけは転職活動から

転職活動をはじめた頃は廃棄物業界に入りたい!とは思ってはいなかった。

まぁ、正直、業界未経験者がどうしても廃棄物業界で働きたい!という人は殆どいないと思う。

僕が唯一出来そうな仕事が営業職だったので製造系やら工場関係、食品関係など様々な業種に応募していた。(具体的なスキルがなかったし)

そしたら、たまたま自宅から近くだったいう事と、自分の生まれ育った地元の廃棄物に携われるという事で親近感がわき、面接の末、採用頂いた。

面接でもどんな仕事をするか質問は沢山させていただいたし、具体的に答えてもらったけどそれでも廃棄物をどうやって営業するんだろう!と思いながら入社しました。

廃棄物業界で僕がしてきた仕事

基本的には営業職として活動していましたが、入社後1ヶ月程度は実際に現場で行なった研修が3つあります。この研修はめちゃくちゃしんどかったけど、実際に廃棄物業界の最前線で働く人々を知れたことは大きな経験だと思う。

実際にやってきた現場研修は以下のようになる。

・事業系一般廃棄物の収集業務(お店とか会社の燃えるごみの回収です)

→みんなが知っているパッカー車でのゴミの収集です。

僕は自動車の免許の関係上4t車は乗れなかったので運転手の横に乗って早朝4時台にレストランや会社、コンビニから出ているゴミをひたすら回収してはパッカー車にぶちこみました。

たった1週間しかなかったので早起きにも慣れず、また、意外とゴミ袋が重かったりするので全身の疲れになれないまま終わってしまいました。これを各市町村の焼却場へ持っていくんですね。

慣れると流れ作業のように1日が終わるようですが、僕はめちゃくちゃ疲れました(笑)

何よりも缶とかビンが燃えるごみと一緒に入っているちゃんと分別してくれていないお客さんとかは「ちゃんとしてよ。。。」って思う事もあってここで分別の大切さを身を以て知る事になりました。

・産業廃棄物の収集運搬業務(工場などから出る製造に伴う廃棄物の収集)

→Youtubeで分かりやすい動画があったので下記を見てください。

これは事前にコンテナを置いて建築現場や工場のお客様自身でゴミを入れてもらってそれを回収もしくは新しいコンテナと入れ替えするのでこれだけだとけっこう楽でした!

ただ、積み込みが発生するような現場だと一気にキツさが増しましたね。。。重すぎて上がらないものもあったりで結構苦労しましたし、大半ドライバーの先輩方に助けてもらいました(笑)

・産業廃棄物の選別業務(収集した産業廃棄物をリサイクルする為に分別)

→上記で収集してきた産業廃棄物を選別し、プラスチックならリサイクルか焼却、埋め立て、金属くずならリサイクルなどというように、重機で大きく分けますが手作業が必要な事もあります。

有害な液体物などはあまりありませんでしたが、廃棄物自体にニオイやホコリがついているので、常に防塵マスクをした状態で選別作業をしました。

リアルにこんなのをつけてました↓↓

この研修でゴミの流れがすごくよく分かりました。産業廃棄物なんかは、一概に100kgのゴミだとしてもプラスチックが何割なのか金属などの資源物が何割なのかによっての値段の付け方が変わってくるので、仕事をする上で難しい!と思う点でした。

廃棄物業界の営業って何をしてきたか

事業所から出る廃棄物の処分に掛かる金額を見積りをしたり、逆に提案をしたり、分別や適正な処理方法の相談を受けると言った内容です。

実際にお客様の元に出向き、廃棄物を見せてもらい、見積もり作り金額提示をし、合意すれば契約という流れ。

これが僕の仕事でした。

但し、同じ廃プラスチック類と言っても、混載物と言っても、事業所ごとに全く同じ廃棄物というのはほとんど存在しない為、顧客毎に様々な想定をして見積もりを作らなければいけないところはめちゃくちゃ大変だった。

例えば、会社の商品や商材があって、ある程度パンフレットに載っている内容プラスアルファーを覚えればそれなりにお客様に説明する事もできるし金額提示も出来る。

でも、廃棄物はお客様によって内容や量、また収集条件なども変わってくるので適切な金額設定に非常に難しい。

1度で積み込みが出来る見積もりを出したところ、実際は全くそうでもなかったりしてお客様に大目玉を食らったり、実際に荷物を自社工場に搬入してみると、コストの掛かる処分しか出来ず、赤字を叩いてしまった事もあった。その逆もありましたけど。。。

廃棄物業界の営業というものは、それなりに計算も経験も必要な仕事だという事を痛感した。

あ、僕計算めっちゃ苦手です(笑)

廃棄物業界の営業としてみてきたお客様の反応

これはお客様によるし、地域にもよるけど、いわゆるゴミ屋さんがスーツを着て訪問してくると思っていないお客様も非常に多かった。

僕が特別すごく丁寧で誰よりも良い提案や振る舞いが出来ているとは思わないが、実際にお客様と距離が縮まった時に言われるのが、

「ゴミ屋さんがこんなにもちゃんとしているとは思いませんでした。」

というものです。

僕は他業種から廃棄物業界に移って働いたのでわかるんですけど、お客さんのこういう反応というのは仕事をする上でめちゃくちゃアドバンテージなんですよね!

そして、これは大手のお客様でも共通しているのですが、近年、廃棄物に関する法律というものが非常に厳しくなってきています。もしかしたら僕より廃棄物に詳しいというお客様もいるほどです。

廃棄物業界に入るまでは「産業廃棄物のマニフェスト」など知りませんでした。

※簡単にいうとこのゴミをこの運搬業者に運んでもらってこの処分先まで持っていきますよという全国共通の結構厳格なものです。

適正な処理や収集をしない業者は避けたいというお客様も増えてきているので、契約関連や処理にかかわる具体的な案内をしっかりすればとても喜んで貰えます。

こういったところからも、この業界は他業界に比べても社会的存在価値というものは非常にあると思う。

廃棄物の業界って実際「その手の人」はいるの??

今は廃棄物の運搬や処分の許可を行政から得る上で「反社会勢力」に関わるものへは許可は降ろしません。

その辺りは本当に厳しいと思う。

但し、噂レベルでは同業の営業の人から「あそこはその手だと思うよ」という話は何度か聞いたことがあると言えばある。

これも裏付けがあるわけではありませんが、逆を言えばどの業界でも、そういった噂というものはあると思います。

もし、廃棄物の業界でお仕事をしてみようという場合は、面接で反応を確かめてみたり、インターネットで情報を仕入れてみても良いかもしれません。

僕の在籍した会社は全然そんな感じではありませんでした。普通に女性の事務員さんも何人もいたし、若い男の人もいたけど、そもそも僕が在籍していた会社はタトゥーでさえも禁止していましたから。それだけ「反社会勢力」という点には最新の注意を払っている会社でした。

廃棄物業界に入って変わった自分

正直言ってしまうと、廃棄物の業界に入るまで、普段出しているゴミの分別なんて滅茶苦茶でした。。。

心のどこかで、「どうせ燃えるだろう」と思って燃えるものでもないものも一つの袋にまとめて捨てていました。

今思えば反省しなきゃいけないんですけど、実際に自分が収集したり、ゴミを捨てる現場を見てみると、最悪、袋を開けてでも分別してくれている人もいるんだっていうことがわかったからです。

なぜそんなことをするかと言うと、パッカー車で焼却場までゴミを運んでも、あまりにも分別がひどいと焼却場で受け取りを拒否される場合があるからです。

これを知って、今まで沢山の人に迷惑をかけてきたのかと反省する機会ができました。

それに、ゴミを出さないようにすることが最近の傾向ではあるけど、ゴミを出さないために、まず一番に「不要なものは買わない」と言うマインドに変わりました。

今までだったらコンビニの一番くじや、景品付きのお菓子やジュースを買っていたけれど、使われずにゴミになっていくことの方が経験上多かったのでそういった反省を活かして

極力無駄なものは買わない」よう心掛けている。

もし皆さんが今不用品などがたくさんあったらリサイクル業者に依頼してみるのも良いかもしれません。

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長年、着ていなかった服なども意外と手間なしに売れてしまうこともあるかもしれませんし。

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廃棄物業界で成長した自分

廃棄物業界について書くと、どこまでも書けてしまいますし、キリがありません(笑)

但し、廃棄物業界っていうものはその曖昧さもあって白黒つけるのが本当に難しい業界です。

プライベートでは分別やモノに対する意識がかなり変わったし、仕事面ではお客様は何を求めているか(お金なのか、法令遵守なのか)ということを意識しながら交渉を進めることができるようになったし、どんな業界にも精通している大切なことを学べたと思う。

ゴミ=汚い、臭い、きつい

これは事実だろうとは思う。でも、一つ僕が言いたいのは、その嫌なものを処理してくれる人や組織がないと社会は回らないですよ!ということです。

でも、世界でも関心の高まっているこのトピックに対して2年間携わることができたので、次のステージ(イギリスでの生活)にも活きてくると信じている。

次のステージでは廃棄物業界に携わっていたことを僕自身の強みとして活動していきたいと思う。

最後まで読んでいただきましてありがとうございました!

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